近代ヨーロッパを書くために調べたこと3:人が乗れるエレベーターがお披露目されたのは万博博覧会!

創作に活きる情報

2024/10/05 執筆


近代ヨーロッパ(18世紀末~20世紀前半/1700年(?) ~1945年くらい/江戸時代~昭和くらいまで)について書きたいけど何に気をつけたらいいか分からないと思っていませんか?

そんな悩みを抱えている方の参考になればと思い、私が作品を書いた時に調べたことをまとめてみました。


私自身が小説アコニの花束を書く際に、近代ヨーロッパについての知識が必要だと思ったのですが、私はちっとも詳しくないので思いつく限りのことを調べていきました。

その際に知ったことをまとめています。


また、僭越ながら作品にどのように活かせるか考えたことも書いてみたので、少しでも創作活動をする人の参考に、また創作をしない人も豆知識として楽しんでいただければと思います。

※筆者は、付け焼き刃で調べた知識をまとめています。鵜呑みにせず、あくまで調べるきっかけとして使っていただけたらと思います。
※筆者は、創作活動は自由であるべきだと考えています。情報に捕らわれることなく、リアリティを足したい時の手助けとして使ってください。

エレベーターの歴史

エレベーターが近代ヨーロッパにあったのか? という疑問ですが、ありました。

というか、まさに近代に進化したのです。


最も古いエレベーターは紀元前236年頃、アルキメデスがエレベーターの最初の仕組みを考案したと言われています。そこから長い間人力で運用されていたものが、1769年にジェームズ・ワットが蒸気機関を発明、エレベーターも人力ではなく蒸気機関で動くようになりました。


しかし、まだ安全性は低く人間を乗せるのは危険すぎて貨物用の移動装置でした。

(人間が乗ったことが全く無いかは分かりません。命がけで乗った可能性もありますね。さらに、貨物用であっても貨物が落ちることがあればその下に人間がいれば大怪我をしたり亡くなったりという事故もあったでしょう)


その後、安全に運用するための開発が進み、1854年にニューヨークの万博博覧会で安全なエレベーターが世界にお披露目されたのです。

ただ、現在のように望んだ階でぴたりと止まったり、高層ビルの中で動かしたりすることが出来るようになったのは1903年以降のようです。

1884年には、パーテルノステルというコンパクトにした観覧車みたいなエレベーターがあったようです。


また、日本やアメリカでは1階は1階なのですが、ヨーロッパは日本で言う1階は0階、2階が1階というように数え方が違います。それに準じて、エレベーターの数え方も0階(ground floor)と表示されるので注意が必要です。


また国によっては、エレベーターの扉が普通の部屋の扉のように手動で押す場合もあるようです。

日本で暮らしているとなかなか知る機会はありませんが、エレベーターは思っているより色々な種類があるので、自分の知りたい国、知りたい時代で調べてみるといいかもしれません。


ただ、物語に登場させることを考えると、近代ヨーロッパはエレベーターが開発したてなので、おそらくそんなにエレベーターに乗る機会は無いでしょう。

近代初期であればまだ貨物用なので特殊な職業を描くのでなければ登場シーンは無さそうですし、近代後期であればニューヨーク、ロンドン、パリなどの高級ホテルで導入されたようですが、移動のためというよりは「エレベーターという上下に移動する部屋」を楽しむためのものだったようです。


つまり、エレベーターという珍しいものに乗りたがる人を書くぞ! ということであれば登場させるのも良いと思いますが、普通に近代ヨーロッパで生活する人を書こうとしているなら、むしろエレベーターは登場させない方が無難かもしれないということです。

経済学はいつからあったのか

そもそもなぜこの項目について調べようと思ったのか、ということを軽く書いておきます。


学問分野というのは、昔から現在まで変わらず存在しているものもありますが、名前が変わったり、増えたり減ったり合わさったり色々しています。

今ある学問だから近代ヨーロッパにもあるだろうと思って名前を出したら、そんな学問まだ格律されていませんとか、当時は嘘くさい学問だと思われて学んでいる人は肩身の狭い思いをしていました、となってくるとキャラクターの性格にそういった背景を加える必要が出てくるわけです。


書きたい時代に普通に存在していた学問であれば特別意識する必要はないかと思いますが、特殊な学問だったら、それを学ぶに至った理由があるかもしれませんから。
また、学問によっては、当時は裕福な子供、特別に優秀な子供だけが学んでいた科目などがあったりします。そもそも学ぶこと事態が、今のように多くの人々に与えられた権利ではなかった時代もあることも忘れてはいけません。

時代や身分によっては、文字が読めないのが普通ということもあります。

そういう意味で、学問についても本当に自分の書こうとしているキャラクターはその勉強をすることが出来たのか、ということを様々な方面で考える必要があるということです。


さて、本題の経済学に関してですが、1776年にイギリスでアダム・スミスという人が書いた「国富論」という本がきっかけとなり、ヨーロッパで経済学という分野が発展したようです。

つまり、経済学という分野もまた、近代ヨーロッパにおいてちょうど過渡期にあったということでしょう。


これまでの情報を見るに、どうやら近代ヨーロッパというのは色々なものが発展し始める時期のようです。従って、作品を書くにあたって少々の無茶が出来ると言えるかも知れません。

発展途中の様々な物事が全て記録に残っているわけでは無いはずですから、少々奇抜なアイディアがごく小さなコミュニティの中で考案されて公にされず消えていったということにしてしまえば、作品に登場させるのに問題はないでしょう。


読者がそれを、時代考証を怠っていると考えないとも言い切れませんが、出来ることなら文章中に現実に発明された物事との関連性をほのめかせ「言われてみれば無くはないか……」と謎の説得力をもたせることができれば素晴らしいですね。

あまりに上手に馴染ませてしまうと、もしかしたら読者がこれだけ本当っぽいのだからきっとこれは史実に違いない、と思ってしまうかも。そこまでリアリティのある作品をかけたら嬉しいですね。(作品の系統によると思いますが)

さて、今回のブログはこの辺で終わりになります。

皆様の調べ物は捗ったでしょうか…?


「参考になった!」「実際にどんなふうにこの情報を利用しているか見てみたい!」

という方は、ぜひ当ブログに私の書いた作品が載っておりますのでご覧ください。


そして、ここからは私のただの言い訳なので読んでいただかなくても大丈夫なのですが、ここまで読んでくださった方に白状します。

実は、最初に書いている通り私は「アコニの花束」という小説を書くにあたって色々な項目を調べたのですが、アコニの花束を書いたのはこの記事を執筆、掲載するよりかなり前なのです。正直言って、今読み返すと至らないところが多くてとても恥ずかしい上に、偉そうにここは気をつけた方がいいですよと書いていますが、当時の私は今より深く調べずに書いています……。ちょろっと検索して「あ~まぁいけそう」くらいの感じで書いていました。最近の作品はもう少しきちんと調べているのですが……。

そういうわけなので、「実際にどんなふうにこの情報を利用しているのか」という点においては、むしろ反面教師になっている部分もあるかと思います。温かい目で読んでいただくか、今回の作品は無視して最新の物語を読んでいただけると……嬉しいです……(我儘)。

ということで、ぜひ皆様も作品の出来に対しては過去の作品を恥ずかしく思うのはむしろ現在の自分が成長している証なので良いとして、時代考証などをあまりおろそかにしすぎないことをおすすめします。

まぁ楽しくかくのが一番ですし、いきなりなんでもかんでも気をつけて作れるわけがないので、どうあがいても昔の作品は後悔することになると思いますが、今の自分が良いと思えるものを作れることを願っております。


近代ヨーロッパの調べ物についてはまだまだ続きますので、また次の記事でお会いしましょう。

それではまた。

次回掲載予定の記事内容

童話って誰が作ったの?
復讐に関する法律

今回の調べ物で書かれた作品
https://kingyokirakira.com/2024/11/29/akoninohanataba/

その他の筆者の活動をまとめたリットリンク
https://lit.link/kingyohirahira

コメント

タイトルとURLをコピーしました