近代ヨーロッパを書くために調べたこと2:白いウェディングドレスが多いのはただの流行だったから

創作に活きる情報

2024/10/05 執筆


近代ヨーロッパ(18世紀末~20世紀前半/1700年(?) ~1945年くらい/江戸時代~昭和くらいまで)について書きたいけど何に気をつけたらいいか分からないと思っていませんか?

そんな悩みを抱えている方の参考になればと思い、私が作品を書いた時に調べたことをまとめてみました。

私自身が小説アコニの花束を書く際に、近代ヨーロッパについての知識が必要だと思ったのですが、私はちっとも詳しくないので思いつく限りのことを調べていきました。

その際に知ったことをまとめています。


また、作品にどのように活かせるか考えたことも書いてみたので、少しでも創作活動をする人の参考に、また創作をしない人も豆知識として楽しんでいただければと思います。

※筆者は、付け焼き刃で調べた知識をまとめています。鵜呑みにせず、あくまで調べるきっかけとして使っていただけたらと思います。
※筆者は、創作活動は自由であるべきだと考えています。情報に捕らわれることなく、リアリティを足したい時の手助けとして使ってください。

花嫁衣装

日本でも憧れる女性が多いウェディングドレスですが、まず、必ずしも白ではない、ということを知っておく必要があります。というか、ウェディングドレスの色が白なのは、単に長い流行りに過ぎません。長すぎてまるでそれが礼儀みたいになっているだけみたいです。


どういうことなのか、ウェディングドレスの起原を遡ってみましょう。

最初に誰が着たか、ということは正確には分からないのですが、キリスト教が普及した時代ではないかと考える説があります。教会で結婚式をあげるにあたって、貴族の人々が着ていたのがウェディングドレスです。


その当時、花嫁の衣装にどのような意味があったのか。

「白くって綺麗☆」なんて素敵なお話ではありません。当時の人々はもっと現実的です。

花嫁衣装の豪華さはその家の財産を表し、権威を表し、いかに家の強さを主張するかという政治の場だったのです。豪華な色の生地に、刺繍を施しどんどん派手にすることが重要でした。


また、中世ヨーロッパにおいては、白は喪服の色だったのでめでたい場で使われることはあまりなかったようです。そもそも、当時は白色の生地というのは物凄く高価でした。

その後、16世紀末には汎用性の高い暗い色のウェディングドレスが好まれました。というのも、結婚式の時に着る服は、結婚の時にしか使わないものではなく、礼装として何度か着る機会があったからです。


そこから、一気に白いウェディングドレスが有名になったのは1840年にイギリスのビクトリア女王が白いウェディングドレスを着たことで貴族たちが真似するようになり、その頃には白い生地の生産が比較的安価に行えるようになったのもあり一気に普及したと考えられているようです。ただ、その前に白いウェディングドレスを着た人物として1558年スコットランド女王メアリー・スチュアートの結婚式があるようですね。


このように、今でこそウェディングドレスは白が主流ですが、白じゃなくてはいけない理由などありません。したがって登場人物には着たい色を着せてあげましょう(そのキャラクターの家柄などの背景を考えたうえで)。


ちなみに、こういう今は当たり前だけど昔は結構違う洋服の話、日本の花嫁衣装もそうですし、喪服なども当てはまるのでそういったシーンを書く予定がある方は気をつけて下さい。


さて、花嫁衣装が白以外もあることは分かりましたが、漫画やイラストを描かれる方は特に気をつけなくてはいけないことがあります。ウェディングドレスのシルエットです。

時代によって主流がありますので、描きたい時代のウェディングドレスの流行を検索して、画像を見てみて下さい。色々なスタイルのドレスが出てきてとても綺麗ですよ。


私は文章にそこまで載せなかったので調べるのはサボりました。きちんと花嫁の美しい姿を文字で描きたいと思う方はぜひ調べてみて下さい。過剰に説明しすぎないように気をつけながら、魅力的な花嫁を演出しましょう。


また、誰がどのような感情でウェディングドレスに言及するのかも重要です。
花婿が思わず花嫁の姿に見惚れているのか、それとも花嫁自身が嬉しい気持ちで自分の姿を見ているのか、それとも実は結婚を望んでおらず自分の華やかな姿と暗い心情を対比させて描くのか、または参列者が花嫁の神々しさに感嘆しているのか、色々と変えることで場面の雰囲気も変わってきますので、このあたりも腕の見せどころといえるでしょう。

お金持ちの応接室にあるなんか豪華な剣

漫画や映画などで、お金持ちの豪華な応接室に、豪華な剣が掛かっているのを見た覚えがある方もいるかと思います。


あれはもちろん、応接室を飾る装飾品としての役割もあるのですが、そもそも応接室とは部外者をいれるための部屋ですから、実用の意味合いもあったようです。

つまり、やってきた奴が悪いやつ(?)だったら倒すための剣ということですね。よく知らないお客様が実は刺客で襲ってこないとも言えませんから。


ただ改めて調べ直すとあんまり情報が無かったです。

応接室 ヨーロッパ」などで画像検索すると、豪華なお部屋が出てくるので参考にはなるかもしれませんが、よく画像を見ると実は日本の洋館だったり、インテリアの紹介のための画像だったりするので絵を描く方はかなり難易度が高そうです。


貴族 応接室」「城 応接室」などの検索のほうが、もしかしたらより理想に近い参考資料をみつけることが出来るかも知れません。検索ワードを模索してみて下さい。


創作に関して言えそうなことは、装飾品は埃が被っている可能性があるということくらいでしょうか。しっかりした使用人たちがきちんと掃除をしていれば装飾品は綺麗だと思いますが、家の主に問題があったり、財政状況に問題があったりすれば、装飾品の掃除を後回しにされるかもしれません。

応接室という他者から一番見られる場所、言ってみれば一番見栄をはらなければならない場所の掃除がおろそかになっている貴族がいたら、相当に家が危ないということを表現出来るかもしれませんね。

さて、今回のブログはこの辺で終わりになります。

皆様の調べ物は捗ったでしょうか…?


「参考になった!」「実際にどんなふうにこの情報を利用しているか見てみたい!」

という方は、ぜひ当ブログに私の書いた作品が載っておりますのでご覧ください。


それから最後にもうひとつ

情報は、作品にリアリティを足すための手助けにすぎません。創作活動においての正しさとは、事実に基づいていることではなく自分の表現したいものを追求することだと私は思っています。どうかこれを読んでくださったあなたが、情報を知ったうえで素敵な嘘もまじえた自由な作品をつくれることを心から祈っております。

近代ヨーロッパの調べ物についてはまだまだ続きますので、また次の記事でお会いしましょう。

それではまた。

次回掲載予定の記事内容

エレベーターの歴史
経済学はいつからあったのか

今回の調べ物で書かれた作品
https://kingyokirakira.com/2024/11/29/akoninohanataba/

その他の筆者の活動をまとめたリットリンク
https://lit.link/kingyohirahira

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