近代ヨーロッパを書くために調べたこと8:夢の意味って結局なんなの? 物語のスパイスに使いたい不思議な夢の話

創作に活きる情報

執筆 2024/10/05

今回は、警察を例に世界観をこわさずに言葉を伝えたい時の話、夜に見る夢についてひとそれぞれ違うということについてまとめています。


近代ヨーロッパ(18世紀末~20世紀前半/1700年(?) ~1945年くらい/江戸時代~昭和くらいまで)について書きたいけど何から調べればいいか分からないと思っていませんか?

そんな悩みを抱えている方の参考になればと思い、私が作品を書いた時に調べたことをまとめてみました。

作品にどのように活かせるか考えたことも書いてみたので、少しでも創作活動をする人の参考に、また創作をする予定がない人も豆知識として楽しんでいただければと思います。

私自身が小説『アコニの花束』を書く際に調べたことをまとめています。

本記事の掲載単語は作品登場順となっていますが、目次から気になる単語へ飛ぶことができますのでご活用下さい。

※この記事は付け焼き刃で調べた知識をまとめたものです。鵜呑みにせず、あくまで調べるきっかけとして使っていただけたらと思います。
※筆者は、創作活動は自由であるべきだと考えています。情報に捕らわれることなく、リアリティを足したい時の手助けとして使ってください。

官憲、警察組織を書くために


官憲というのは役人という意味もあるのですが、主に警察関係の人を指します。


警察(国の治安を維持する人)の名前というのは実はたくさんあるのです。国や時代、地域によっても変わります。中にはスラング、隠語などもあったりするので警察組織について発言しているのが誰なのかで変える必要があるでしょう。
わかりやすく例えると、ヤンキーが「警察官が来たぞ!」と言うより「ポリだ!」と言ったほうがそれらしくなるということです。


しかし、こういった名称に関しては創作、特に外国を舞台にした場合の大きな問題があります。それは、時代と地域にあった正式名称を使うと読者に伝わりづらいこともあるということです。特に外国を舞台にすると、と書いたのは、カタカナの名前だと伝わりづらいという意味です。


まぁ日本語でも普通にひと目見ただけじゃ分からないですけどね。
明治時代の警察組織は「邏卒〈らそつ〉」と言いますがあまり聞き馴染みは無いと思います。「岡引き」とかのほうが時代劇で聞いたことがある人も多いかも知れません(単に私の知っている作品が偏っているだけだったらすみません)。


しかし、読んでいる側として日本が舞台だとキャラクターの名前も日本語で比較的馴染みやすく、そこに邏卒などの知らない単語が出てきても一度警察組織だと説明されれば、知らない単語はその一つだからなんとなく覚えられるかもしれません。


これがキャラクターの名前もカタカナ、知らない役人の名前もカタカナ、さらに本格志向の作家さんであらゆるものをカタカナにしてしまうと、覚えるのは正直大変です。リアリティがあるのは素晴らしいことなのですが読みやすさも少し心がけたいという人は、どこをカタカナにするか、どこは漢字に置き換えるか考えたほうが良いでしょう。

何度も登場する重要な名前、役職などの場合は本格的なカタカナを使って文字数もかけて説明するのも良いかもしれません。それが作品のキーワードとして光ってくると思います。

しかし、数回しか登場しない、立場さえ分かれば良い名称なら思い切って漢字にしてしまうのも手です。


とはいえ……いきなり現代日本の名称を持ってきたら世界観が壊れるのでは、と思う方もいるでしょう。近代ヨーロッパだったら「警察」という名称を使ってもそれほど違和感はないかもしれませんが、中世ヨーロッパくらいの時代だと、さっきまで異国情緒あふれる石畳の風景が見えていたのに、いきなり「警察官」という日本語を使うのはちょっと……という場合。


私が使ったのが「官憲」という言葉です。これはあくまで一例で官憲という単語である必要はありません。重要なのは日常生活であまり使わないけど字からなんとなくイメージがつきやすく、あとは文脈次第で伝えることが出来る単語、ということです。

名称の決め方は「警官 言い換え」などで検索して、前述のことを意識しながら単語を選びます。


これが私なりの“あんまり現代感出したくないけど、リアルすぎても難しいし調べるのも大変……”と思って行き着いた結果です。

夢の正体


物語の中で夢を象徴的に使うシーンを見かけることがあります。
夢なのか、妄想なのか、幻覚なのかで作品の色合いも変わってくるかと思いますが、夢にうなされる描写などはキャラクターの過去、トラウマ的な出来事を自然に描く方法として使いやすいでしょう。

夢の中だから好き勝手やっちゃおう、というのも全く問題ないと思います。ですが、今回はもっと“マジ”な夢を描きたいという人のために簡単にまとめようと思います。


夢というのは記憶の整理整頓のために見る、という説が有力です。
また、眠りが浅い時に見ているとされています。つまり、夢を見ていると長時間見ていると感じることがありますが実際には目が覚める直前の一瞬の間に見ていることが多いのです。
また、映像で見ていると感じている人が多いと思いますが実際にはいくつもの写真のような画像が連続的に映し出されその間を補完しているという説もあります。


他人と夢の話をすることはそんなに無いかもしれませんが、人それぞれ夢の特徴が違っていて、カラー映像で夢を見る人もいれば白黒で夢を見る人もいます。両方見たことがある人もいます。匂いや痛みも感じる人もいれば、よく漫画表現などで「夢かもしれない。叩いてみて」とあるように、夢は痛みを感じないと思っている人もいます。


そして、明晰夢と呼ばれる自分が今夢を見ていると自覚している状態で夢を見ている人。
この人は夢を自分で操れるという人もいますね。反対に、夢を見ている間はそれを現実だと思っているし、操ることも出来ない人もいます。

あと、夢の中だと上手く走る事ができず水の中にいるような感覚になる、という人も多い気がしますが、必ずしも夢の中だと走れないというわけではなく、その時の心理状態の影響があります。

一人称視点の夢もあれば、幽体離脱したような三人称視点の夢もありますし、気づいたらさっきまで見ていたはずの人物に自分がなっている、ということもあります。


意外にも、夢というのは色々あるということが分かっていただけますでしょうか。

また、夢を全く覚えておらず、今まで夢を見たことがない、という人もたまにいますね。
一回もないという人は流石に珍しいのではないかと思っていますが、夢の記憶には個人差が大きく、覚えていることが多い人でもその日の朝は覚えていたのに夕方になったらまったく思い出せない、ということもあります。また、一度起きて、二度寝をすると、一度目の時の夢の記憶が書き換わっているという実験もあったりします。

それだけ夢の記憶というのは曖昧で不思議なものなのです。
ただ言えるのは、無理に覚えていようとするのはあまり健康によくありません。というのも、眠っている間はしっかり脳を休める、つまり深く眠って夢を見ていない時間が必要です。
これを、夢を見よう、覚えようと意識しすぎてしまうと眠りが浅くなってしまいます。夢というのは本来なんとなく見てなんとなく忘れるくらいでちょうどいい存在なのです。


さて、それでも夢を物語で描くなら、やはり夢の意味について知識がほしいですよね。

夢というのは記憶の整理だと最初に書きましたが、これには深層心理が反映されています。普段は意識していない自分が出てきているということです。


よく、ネットで検索すると夢診断でお金の夢を見たならあなたはお金が欲しいでしょうみたいなのがありますが、そんなに夢は単純ではありません。
寝る前にものすごく「お金拾いたい、お金拾いたい」と考えていたなら話は別かもしれませんが、そういうわけでもないのにお金の夢を見た。自分はお金が欲しいのかな? と気にする必要はありません。


お金というのはあくまで象徴です。自分にとって価値があるもの、可能性やエネルギーという意味合いを持つこともあります。


そもそも深層心理ですので、そのままの意味で出てくることはあまりないのです。


夢については今後も私自身の作品において、重要な役割として書く予定があるので、その時にまた夢についてまとめようと思っていますが、夢を出す時に物語としての分かりやすさも重要ですが、もっと謎めいた夢というものを描くのも、作家の醍醐味ではないかと思っています。とか言いながら今作ではかなりライトに単純な夢の出し方をしているし、たぶんそういう夢も全然あるので、あんまり気にしなくてもいいです。

(※夢の意味について調べることは、自分の深層心理を無理矢理ほじくり返す行為になってしまう可能性があります。また、モチーフの意味について知ることで脳はもっと夢を複雑にして分かりづらくしようとします。気になってもほどほどにしておきましょう。)

さて、今回のブログはこの辺で終わりになります。

皆様の調べ物は捗ったでしょうか?

「参考になった!」「実際にどんなふうにこの情報を利用しているか見てみたい!」

という方は、ぜひ当ブログに私の書いた作品が載っておりますのでご覧ください。

近代ヨーロッパの調べ物については今回で終わりになります。よろしければ他の調べ物についてもご覧になって下さい。それではまた

次回掲載予定の記事内容 

「荒廃した未来を書くために調べたこと」
白夜
ネオン
天蓋ベッド
チャイナシューズ

今回の調べ物で書かれた作品↓(センシティブな内容が含まれますご注意下さい)

https://kingyokirakira.com/2024/12/31/004baranotei/

その他の筆者の活動をまとめたリットリンク↓

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